2007.09.18

日印若者たちの未来

デリー市内のマーケットの一角でアイスクリームをほお張るインドの若者

以前、日本経済新聞が日本の少子高齢化から想像するものは何か、というアンケートを行ったら、一番多かった答えは、「衰退」というものでした。日本では既に、05年の後半から人口減少は始まっており、加速度的に「人口減少時代」に突入していっているのではないかと、危惧の念を払拭できません。

中小企業白書によれば、毎年7万社ほどの中小企業が廃業しているということで、主な理由に、後継者不足が上げられています。零細企業といえども立派な技術を持っているところも結構あるのではないかと、非常に残念に思われます。

これから約18年後、2025年のアジア3大大国の人口構成を見てみると、唖然とさせられます。働き盛りの20歳から24歳までの5年間の比較では、インドを100とすると、日本は6、一人っ子政策を行った中国は80との予測が出ています。これを分かりやすく言い直すと、次のようなことになると思います。すなわち、それまでのストック(蓄積された経済力)は除外して、単純にフローで考えると、日本がインドと同じ経済規模を維持するには、日本の若者一人がインドの若者の16.6倍(100/6)の経済付加価値を生み出さないとダメだということです。中国の場合は1.25倍(25%アップ)ですから、頑張れば何とかなる数値だとは思いますが、16.6倍はいかんともし難い数値ではないでしょうか。

アメリカ人口統計局が発表した2025年の人口予想

そう考えてくると、将来的に国と国との比較がどこまで重要か、と考えさせられてしまいます。今から18年後には、日本だインドだ、といった比較が意味を成さなくなっているかもしれません。それほど多国間の経済相互依存度が高まっていることが予想されます。そのとき物を言うのが人的絆の強さだと思います。中国から日本への留学生は約8万人、インドからは5百人程度。これでは両国間の相互理解はなかなか進まないのではないでしょうか。

日印の若者がもっと相互交流を深めたくなるような両国関係の構築が喫緊の課題でしょう。その中には中小企業も含めた日本企業の変身(グローバル化)も含まれるのではないでしょうか。変われるか、ではなく、変わらなくては日本の将来は無いようにも思われます。

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