新風吹くか、米国初の若き黒人大統領
今回の米大統領選挙は、8年間にわたるブッシュ政権へ「No」を突きつけ、また、旧態依然としたエスタブリッシュメント(旧クリントン政権)の延長線上では不可能な、何か変革をもたらしてくれる人物を求めた結果、初の(アフリカ系)黒人大統領で、建国以来五番目に若い(47歳)大統領を生むことになったのではないか。
サブプライム問題で疲弊する世界経済、戦火のやまないイラクやアフガン、それに連なるパキスタン問題や北朝鮮との対話、対決姿勢を見せるロシアとの関係改善など、新政権の課題を挙げれば枚挙に暇が無い。それら難題に対峙するとき、上っ面だけではない、本当の意味での「変革(Change)」が求められているのだと思う。
しかし、世界の最高権力者としての言動と、米国大統領としての行動には相容れないものが存在する。そこに生まれてくるのではと危惧されるのが保護貿易主義的姿勢だ。大統領選の演説の中で、「米国の車は米国で造ろう」とか、自国内での雇用創出のためITなどの(インドなどへの)アウトソーシングに否定的な態度をとるなど、「百年に一度」とも言われる世界的経済混乱の収拾を、(最早米国のみでは)解決不可能と知りつつ、解決できる(Yes, we can)と言わざるを得ないところに厄介な問題が潜む。
パティル印大統領は5日、早々とオバマ氏の大統領選挙当選への祝意を伝えるとともに、早期訪印を招待する旨の発言をしている。伝えられるところに拠れば、オバマ氏のインドに対する関心は高く、幸運のお守りとしてハヌマン神の人形を所持し、議員事務所にはマハトマ・ガンディーの写真が飾られているという。シカゴでの貧困層救済の草の根活動を通し州議会への道を開いていったオバマ氏には、米印の複雑な宗教、言語、文化などがダブって見えてくるのではないか。かといって、オバマ氏がインドよりの政策を取るとは限らない。そこには、冷徹な政治力学が働いてくるはずだ。
しかしながら、米国一国支配の世界構図は崩れ、アメリカ頼みだけでは世界は動かないとの認識のもと、アメリカ後(Post America)が語られる中、今後の米印関係の趨勢をしっかりフォローする必要があるのではないか。なぜなら、そこから日印関係の今後も一部透けて見えてくると思えるからだ。
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