中秋の名月と月探査競争
先週の9月25日(火)は中秋の名月でした。ただし、中秋の名月の日は必ずしも満月ではないようです。旧暦(太陰太陽暦)では、七月、八月、九月が秋の月となっており、8月15日の月を中秋(秋の真ん中)の名月と呼んでいるとのこと。その8月15日を西暦年に直すと、今年は9月25日になったわけです。ただし、満月は9月27日(木)ということでした。
そこで、今年は25,26,27日と3夜連続で月を追ってみようかと思いました。25日は少しだけまん丸ではないなと感じ、26日は雲が掛かっていましたが、雲間からより丸くなったように思えた月が撮れました。さあ、満月だと、手ぐすねを引いていた27日は生憎の空模様で断念、したがって、日記初の3連続写真の夢ははかなくも潰えました。
月といえば、日本初の本格的な月探査の月周回衛星「セレーネ(愛称かぐや)」が9月14日に打ち上げられ、見事成功しました。かぐやの主な目的は、月の起源や進化のなぞを解明することのようで、アメリカのアポロ計画(1969-72年)以来の大掛かりなものです。
インドの新聞でも取り上げられていました。報道では、かぐやの打ち上げ成功はアジアの宇宙開発競争の号砲になるかもしれない、というものです。というのも、中国が今年10月にも初の月探査衛星を打ち上げる計画で、インドのインド宇宙研究機構(ISRO)も来年、国産の月探査衛星「チャンドラヤーン1号」の打ち上げを予定しているからです。同衛星打ち上げに際しては、米航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)が協力、米国からは鉱物測定装置が、欧州からは月表層の元素組成の調査や鉱物分布調査用の分光機器などの搭載観測機器の提供が予定されています。各国の姿勢は、インドとの経済関係強化を考えた場合、考えられることです。
インド有力紙(Times of India,07.09.20)が論説で懸念を示していたのは、これら一連の衛星打ち上げが、不必要に政治化された競争に発展しないか、というものでした。そして、アジアの3大国の競争ではなく、協力を呼びかけていました。正に、不毛の競争をするのではなく、アジア全体が享受できるような成果を求めて、印、日、中が協力するということです。これは何も宇宙開発に限ったことではなく、地球温暖化問題もしかりでしょう。経済力を持っている日本と、それに近づきつつある中国とインド。意味のある競争も必要でしょうが、地球の未来を考えた協調、協力のほうが余程重要かもしれません。
「名月や 競争だよと 月探査」(島卓)
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