ラフルが変わる? 本当だったら、凄いことになる?
12月21日(土)、与党国民会議派No2.のラフル・ガンディーがFICCI(インド商工会議所連合会)の年次総会で演説した。8カ前の4月にはCII(インド工業連盟)の年次総会でも1時間弱しゃべっている。まるで別人だ。無精ひげを生やして、インド経済などどこ吹く風で、社会派を唱えるがごとく哲学的論陣を張り、ビジネス界の重鎮を煙に巻いたラフルは何処に。
ひげをそり落としてさっぱりした精悍な面構えと落ち着きは、40歳を過ぎても小僧のようにチョコチョコ動き回り、頼りにならない木偶の坊のようだった8カ月前がウソのようだ。同じ人物とは到底思えない。インドが抱える最大の問題点は「蔓延している腐敗と規則無視の恣意的権力行使」と断言した。州首相や環境大臣などが好き勝手をやっており、そのため許認可処理が遅れ、関係者は欲求不満だらけでしょう」とまで言い切った。その証かどうか、ラフルの演説数時間前に、ナタラジャン環境・森林大臣が辞表を提出した。周囲からは同大臣が環境関連申請決済遅延の大本と、もっぱらの噂だったらしい。また「経済成長なくして貧困撲滅は果たせない(Poverty cannot be fought without growth)」とし、経済発展を優先させる意向も示した。
それに呼応するがごとく、多くの大臣が辞表提出の用意があるとし、ラフルの意志に恭順の意を表したらしい。また昨日(22日)には、一般及び高速道路省のフェルナンデス大臣から「(滞っていた)1兆ルピー(約1兆8千億円)に上る高速道路事業を来月から始動させたい」との発言まで飛び出した。
一体全体どうなっているのか。背後に、ラフルの変貌を演出している大物がいるのか。こういったラフルの過激な行動が、旧態依然とした国民会議派やインド社会に受け入れられるのか。対抗馬のモディ・グジャラート州首相は当然のことながらラフルの演説をこき下ろしている。これは諸刃の剣だ。敵への攻撃が自分に帰ってこないとも限らない。来年の総選挙まで5カ月足らず。私などは、ラフルとモディが切磋琢磨し、インドを好ましい方向に導いてくれることを望むだけだ。こんな風に、来年5月までに予定されているインドの総選挙をフォローしますので、是非お立ち寄りください。
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