インド人と日本人のDNA考
欧米人に比べ、日本人のインド派遣社員はインド人社員との付き合い方が下手だという話をよく聞くが、インドと関わり始めて20年、未だその問いに対する確たる答えには出会っていない。
言葉の問題が大きな障害であることは否定しないが、言葉を意思疎通のツール(道具)と考えた場合、それでは答えにならない。もっと根本的なものは何かを考えたとき、マハトマ・ガンディーがインド独立に向けて使ったスローガン「Unity in Diversity(多様性の統一)」を思い出した。神様が無数いて、なんでもありの国を統一する。まさに多→単とうのがインドの辿った、辿っている歴史ではないか。その対比で日本を考えた場合、単→単という形に行き着く。インドの多様性というのは説明するのが難しく、それに言及するだけで1冊の本が書ける。ただ、アップル創業者の言葉を借りて、「例えば」という形で表現することは可能だ。それは、多様な社会における知識を積み重ね、それに基づく判断をしていく。それが洞察力だ。したがって、最初は何でもありでないといけない。
一方の日本は、こうあるべきだという単一的な回答を求め、なんでもありを排除する。「それも可能かも」と始めるインドと、最初から「それはダメだ」という規定路線を走ろうとするアプローチの違いではないか。したがって我々日本人がインド(インド人)とビジネスをやろうとして心がけることは、単→多という思考回路へのDNA修正ではないか。かっこいい言葉で言い換えれば、本当の意味での日本人のグローバル化である。インドも世界経済に仲間入りして発展していくためには、多だけではダメで、多から単への統一も求められる。多と単がうまく共存して、和音(ハーモニー)をかもし出したとき、日印ビジネスが飛躍的に拡大するのではないかと思う。そんな和音があったら教えて欲しい。
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