インドの電力事情とエネルギー源
先週所要で九州に行ったとき、台風到来の前だったが非常に空が澄んでいて、山口県から広島県の日本海沿岸の山岳地帯に設置された発電用の風車をはっきり見ることが出来た。山岳地帯の緑に映え、絵葉書でも見ているような感じだったので、ついつい見とれてしまいシャッターチャンスを逃し、帰りに撮ろうと思ったが後の祭りだった。高度1万メートルもの上空から見たので、おもちゃのように見えたが、大きいものでは100メートルくらいあるらしい。
発電といえば、首都デリーでも停電が多発するインド電力事情の悪さがすぐ思い付くが、こと風力発電に限って言えば、インドは設備容量で世界第四位となっている。風力発電を使った電力供給能力は大きく、可能な限りの開発をすれば、地球上で必要とされる電力を全て賄えるとのことである。ただ現在のところコストが高く、世界普及までには時間が掛かりそうである。
一方、風とともに考えられる天からの授かりものが太陽熱だ。こちらも地球規模で考えれば、風力と同様、地球上で必要とされる全電力必要量を賄えられるらしい。私はデリー駐在中(今もそうだが)、連日40度を超える暑さに、この太陽熱を何とかできないものかと切実に考えたものだ。やはり、コストとの関係でソーラーパネルの普及はまだまだのようだが、こちらの生産量では日本が一番のようだ。我が家もインドから帰国後ソーラーパネルを設置した。11年くらい前になるが、当時は国庫補助が4割ほど出たように覚えている。当時の計算では、約10年で元が取れることになっていたはずで、計算間違いをしていなければ、既にコストの回収はほぼ終わったことになる。
インド電力事情の悪さの要因に挙げられるのが供給不足で、需要に追いつかないとうことだが、どうもまゆつばものである。というのも、インドの総発電量の30−40%が送電中に無くなってしまうと言われており、その原因が漏電や盗電である。すなわち、インドの電力不足は漏電と盗電が無くなればかなり改善されるはずである。
火力や水力による発電能力向上や米印協力による原子力発電の推進も必要だと思うが、それと共に、日本の最新鋭技術を供与し、インドの送配電中の漏電や停電の削減に協力することも必要ではないか。また、国連主導ででも風と太陽エネルギーの熱交換プロジェクトの世界規模での推進をやるべきではないか。化石燃料に振り回されるのもいい加減うんざりしてきた。
青森県東津軽郡外ヶ浜町(竜飛崎)にある風力発電所、竜飛(たっぴ)ウィンドパーク
1992年(平成4年)3月に、東北電力がNEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)と共同で設置した、当時国内最大規模の集合型風力発電基地。(NEDOホームページより。写真共)
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