びっくりする日本人−変化は本物だった
先週末、開港して間もない新バンガルール(旧バンガロール)空港に降り立ったとき、我が目を疑った。汚くて、狭苦しくて、駐車スペースもろくに無かった旧空港のイメージが、まるでウソのように過去のものになっていた。広々とした空間、整然とした入出国手続きカウンター、こぎれいな飲食店や免税店。空港を出ると、面前にはきれいに区画された広大な駐車所があった。どれ一つ取って見ても、私の頭が想像できるインドではなかった。その上、空港に通じる片道2(一部3)車線の高速道路は、同行した同僚をして、駐在していた米国カリフォルニアを思い出させる、とまで言わしめた。
物理的な変化は言うまでも無いが、それ以上に驚き、またうれしかったのは、無駄な人の動きがなくなったことだ。旧空港では、乗降客がうごめいている中で、何するでもなく空港内をぶらぶらしている職員や、入国手続きの遅さにイライラしている来訪者を尻目に、チャイ(紅茶)を片手に無駄話や、手を握り合う職員のなんと多かったことか。
新空港では、そんなイラ付く光景が視界から消えていた。驚愕すべきことである。では何故そうなったかということだが、環境がそうさせたのではないか。明るく整然と整備された空港内では、ブラブラしている職員の存在が白日の元にさらけ出され、衆目の的になってしまう。今まで油を売っていることを気にも留めていなかったインド人も、自分の恥をさらしながら職員でございますとは言い得ない環境になってしまったということではないか。
なんかインド人とビジネスをやる上でのヒントを提供させてもらったようなものだ。すなわち、インド人に日本人的感覚で、ああせい、こうせい、と言うのではなく、ご当人がそうせざるを得なくなるような環境を作り上げ、そこに追い込んでしまう。その上で的確な指示を出す。そうすれば、意図した目的がかなえられるというわけである。
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