ひょっとしたら、ひょっとするかも
グジャラート州の州議会選挙が今月中旬行われる。下馬評では現同州首相のナレンドラ・モディの圧勝だ。前回の選挙(2007年)ではモディ州首相の所属するインド人民党(BJP)が総議席数(182)の2/3に迫る117議席を獲得している。今回勝てば、モディ同州首相は3選となり、その余勢を駆って2014年に予定されている総選挙で一気に中央(インド)の首相に上り詰めるかもしれない。というのも、BJPの有力国会議員で次期首相を狙っていると思われていたインド下院野党議員団議長を務めるスシマ・スワラジが12月1日、モディ州首相のインド首相候補としての支援を鮮明にしたからだ。もう一人のBJP有力議員でインド上院野党議員団議長であるアルン・ジェイトリーはもともとモディとは親密で、BJPが政権を奪取できるのであれば、彼に道を譲るだろう。
ここまでBJPが団結できるのは、モディ州首相のグジャラート州経済拡大でみせた手腕を一般が高く評価していることが大きな要因だが、それと共に与党国民会議派の弱体化がある。マンモハン・シン首相は80歳と高齢だし、ソニア・ガンディー国民会議派総裁はガンを患っているともいわれており、インドに帰化したとはいえ、イタリア生まれというハンディがある。後継者としていやが上にも期待値の高まっているソニアの長男、ラフル・ガンディーもいまいちパッとしない(首相の器にあらず、との声も聞こえる)。その上経済成長率は3四半期連続して5%台と低迷している。その間1年半で13回の金利引き上げを行ったにもかかわらずインフレ率は二桁近辺をさまよっている。高止まりする金利が実体経済に打撃を与えているにもかかわらず、インド中央銀行(RBI)のスバラオ総裁はインフレ退治優先として動かない。業を煮やしたチダンバラム財務相は、RBIが動かないのなら政府独自の経済刺激策を考えるとまで公言、政治家を支えるべき官僚との不協和音を拡大している。
これほど国政をコントロールできない与党の惨状が露呈している状態をみて、BJPの幹部が手をこまねいているわけにはいかないだろう。内輪の権力闘争はさておき、ここは政権奪取の好機と捉え、結束するのが鉄則だ。この辺を感じとって国民会議派が政権を賭けてまともな国家運営をやってくれたらしめたものだ。経済改革(自由化)が進展し、インド経済が上向く。決め言葉は“It is the Economy. Stupid !(重要なのは経済なんだよ、分かってないね!)”(注)ではどうだろうか。
(注)ビル・クリントン元大統領が父ブッシュ大統領(当時)を1期で打倒したとき使った決め言葉(スローガン)。
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