「けち」と「倹約」の違い
猛暑が続いた東京の夏もなんとなく秋めき、高く青い空が顔を出し始めました。暑がりの私でも、夜寝るときにクーラーを使わなくてもよくなりました。クーラーと言って考えるのが、インドの人ってしまり屋だな、ということです。私も学ばなくては、と思うのですが・・・。
インドを代表するリッチなビジネスマンのお宅に伺ったとき、クーラーの話になり、その方が一寸面白い話しをしてくれました。インド人の堅実な一面を見せられた思いがし、自分はどうかと、自省の念に駆られました。
その方が言うには、自宅には2種類のクーラーがあって、1種類は韓国メーカー製で、これは家族部屋などで使っている。もう1種類は日本のメーカー製で、こちらは客間で使っているとのことでした。
ではなぜお金に困らない人がそうやってクーラーを使い分けるのか、ということですが、ご当人の説明は次のようなもので、聞いたときにはわが耳を疑うと共に、「けち」と「倹約」との違いを思い知らされました。
氏曰く、「韓国製は使用中にトラブルが起こるかも知れない。日本製なら信頼できる。出来るだけ安いのを買うのが基本だが、来客中のエアコントラブルは絶対回避したい。したがって、韓国製に比べ日本製は割高だが、客間には日本製を使っている。その割高分を回収するため、居間では韓国製を使っている。居間のエアコンがトラブッても、“No problem”だ」と。
こういった考えはインド人一般にあるように思えます。したがって、いろいろな局面で、同様なことに出くわしても、決して、「けちなヤツ」と思ってはいけないのです。
不要なコストは切り詰めるが、必要なものにはその分お金を使う。ビジネスの鉄則だと思いますが、日常生活でも言えることだと思います。でも、「言うは易く行なうは難し」です。何も「ぶる」必要は無いのに、「ぶって」しまう。
ありがちなことではないでしょうか。
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