ラフル・ガンディーが沈黙を破るとき
やっとと言うか、とうとうと言うか、ソニア・ガンディー国民会議派総裁の長男ラフル・ガンディー(42)が表舞台に姿を現した。砂漠の地ラジャスタンで1月、国民会議派全国大会が開催され、ガンディー家の御曹司ラフルがNo.2(国民会議派副総裁)として選出されたのだ。
“Where’s Rahul?(ラフルはどこだ)”。いままで、事あるごとに国民から発せられた言葉だ。国をあるべき方向に導いてくれるはずのニューリーダーとしての陰が薄すぎた。国会会期中の出席率も、他の議員の平均(77%)の半分程だ。また国会審議で質問することもまれで、何かあれば母親のソニアが対処してくれる。ソニアの指示通りに動いてくれるシン首相以下の政治家もいる。
しかし、それでは我が大国インドはどこに向かうのか、という大きな疑問が国民の間に生まれても不思議ではない。80歳になる首相、イタリア生まれの総裁、高齢化が進む領袖たち。リーマンショック後に立ち直ったかと思われた経済も下降線をたどっており、再浮上の確たる兆候はまだない。国民は「言うだけ政治とためにする議論」に辟易している。
3日間にわたった党大会の締めくくり演説でラフルは、“The Congress party is now my life and people of India are my life(今や党と国民がわたしの人生そのもの)”と宣言し、変わることの必要性を訴えた。今にして思えば、昨年秋口からの大胆な政治決断は、この日を踏まえた与党国民会議派行動開始のプレリュードであったのかもしれない。オバマ米大統領ばりに“Change”を口にし、ネルー・ガンディー王朝政治の否定にもつながりかねない、旧態依然とした政治手法を非難、問題の本質を突き詰め、具体的根拠を示し、リーダー自らが踏み込んだ対応をすべきと説く。
その場に居合わせた今までのラフルを知る人たちの本音は恐らく「半信半疑」ということではなかったか。有言実行が現実のものになり、半信が全信に変わったとき、「新生インドの誕生」が現実味を帯びてくる。単なる輪廻ではない、時代にふさわしいリーダーが率いる、新しいインドを見てみたい。
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