インドから見えてくる日本の現状(その3)
2月26日にインドの2010年度国家予算が国会に提出された。予算内容の詳細説明は省くが、国会での与党国民会議派の姿勢に自信の程がうかがえた。2008年秋のリーマンショック後の世界的金融危機で、新興国もご多分に漏れずその影響をかなり受けたが、インドは3次にわたる経済刺激策を実施、09/4-10/3年度が7.2-7.5%の国内総生産(GDP)成長率とされ、10/11年度は8%以上、それ以降は9%成長に戻るとの予測で、経済回復基調を鮮明にしている。
今回の予算内容で野党や与党連合を組む政党からも槍玉に上がったのが、燃料価格の引き上げである。一般庶民の生活を脅かすものだという主張だ。しかし、今回の値上げや国営企業株売却の推進などは、経済刺激策による財政赤字の拡大が国の格付けにも影響を及ぼすことから、当然取るべき政策の一環であった。
しかし、与党攻撃の絶好のチャンスとみた野党人民党(BJP)などは国会ボイコットの挙に出て、議場にいる国会議員は半分くらいになってしまったようだ。そこで“ビビル”のは数の論理に寄りかかり、数の向こうに何があるかが見ない人達ではないか。近いうちに州議会選挙があるからとかの理由で、人気取り政策に走ることの危険を与党国民会議派は嗅ぎ取ったのではないか。
任期5年間で(国家と国民のために)成すべきことは何か。当然のことながら、民主国家で全ての人がハッピーな政策などありようも無いが、向かうべき道筋は、世論や専門家などの意見をベースに慎重に分析すれば、当たらずとも遠からずの結論は得られよう。それを着実に実行する。横から茶々を入れる人もあろうが、軸足はぶらさない。
ムカジー財務相は最善の予算案を提出しているとの自信からか、自陣協力党も含め半数近くの議員が議場から退出してもビビルことなく予算案の読み上げを続け、最前列に陣取ったマンモハン・シン首相は平然とその推移を見守った。昨年5月の総選挙で圧倒的勝利を勝ち取った与党連合の数に頼むことなく、協力等の自軍離れを招こうと、通すべき筋は通す。その向こうに見えるものはより多くの市民(支持者)ではないか。今の日本の与党民主党には、その辺がまだ見えてきていないかのようだ。民主党危うし、である。
(注)ケネディーの話は次回にしました。済みません。
お約束した家ネコ親子の証拠写真です。ネガが見つからず、写真の写真ですのでぼやけていますが、何となく見分けていただけるかと思います。お乳をあげているのが母ネコの「ミカちゃん」で、向かって左から「デリー」「アグ」と里子に出した子猫です。「デリー」と「アグ」は、「ここんちにいるんだー」てな感じで、そのまま居座りました。で今では、母親を上回るくらいにまで大きく成長し、我が家で悠々自適の生活を送っています。
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