すべては2012.5のために
インド中銀が昨日、予想を上回る幅での利上げを敢行した。産業界からはオーバーキル(経済成長を失速させる)と一斉にブーイングが起こった。
先進国のような「需要増」によるインフレではなく、明らかに「供給不足」によるインフレであり、金融政策ではたいした効果の出ないことは周知の事実。金利を上げなくても、農産物などの生活基礎物資の供給を増加させられれば、おのずと物価は下がる。したがって、この秋物の農業生産が平年を上回れば、インフレは政府目標の7%には確実に下がる。金利を上げたから下がるのではない。
では何故今、金利引き上げなのか?
それはお前の論理(で当たっちゃいないよ)、と言われるリスク(たいしたものではありませんが)を覚悟で、勝手を言わせていただくと、「すべては2012年5月のために」となる。
その時期に何があるかというと、インド最大の人口を抱える州で、国民会議派総裁のソニア・ガンディーと息子の同派幹事長を務めるラフル・ガンディーの選挙区がある北部インドUP(アンドラ・プラデシュ)州の州議会選挙だ。正にガンディー家のお膝元であり、国会議員議席数も最大州だ。
それと金利引き上げがどうつながるのか?
以下がその謎解き。
UP州議会選挙(ラフル・ガンディー選対委員長)で一定の成果を上げ、周囲の熱狂的な要請で(マンモハン・シン首相からラフル・ガンディーへ)首相交代を行い、2年後(2014年)の総選挙に向けた活動を開始する。(シン首相は既に首相の座の禅譲を同意済み)
そのためには、秋口くらいまでは経済成長を犠牲にしてまでインフレ退治(庶民の味方)をしているポーズを取る。
秋物農作物が出回るとインフレ率は下がるので、(そうではないのに)金融政策の成果が出たと自慢話をやる。
年明け(2012年スタート)と共に景気刺激政策に宗旨替えをする。
その結果、2012年3月末ではインフレがある程度収まっていて、(その反動としての)景気回復への期待値が高まる。
そこで景気拡大(これまた庶民の味方)をテーマにラフルが陣営を張る。
こうやって2012年5月に向けた選挙戦を展開していき、一定の成果を得る。
その結果を踏まえて、一挙に自党国民会議派の若返りを図り、ラフルの時代到来を世に知らしめる。
そのころに、モンテック・シン・アルワリヤ計画委員会副委員長を財務大臣に起用し、だめを押す(経済指南役が側近に付、脇が固まり、ラフルの力不足をカモフラージュ)。
ソニア・ガンディー国民会議派総裁の喜ぶ顔が目に浮かびます。
こんなシナリオでいかがでしょうか。
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