国際金融危機と経済減速の中で
毎年、今頃になるとサッカーファンには楽しみなFIFAクラブワールドカップジャパンが開催される。今年はフランス誌『フランス・フットボール』が選ぶバロンドール(世界最優秀選手)にマンチェスター・ユナイテッド所属選手で、ポルトガル代表のMFクリスティアーノ・ロナウドが受賞したが、彼も来日しており、18日の準決勝でガンバ大阪と対戦、華麗な足技やヘディング・プレイを見せてくれた。
このイヴェントのスポンサー(プレゼンティングパートナー)はトヨタである。そのトヨタがインドのみならず世界で大型投資の先送りをするという。毎日の新聞を見ていると背筋が寒くなるような記事が多くて、楽しい年の瀬がブルーになってくる。
しかし良く考えてみると、アメリカに始まる消費社会に一寸行き過ぎがあったのではと反省させられる。統計数値を見ると、米家計の可処分所得に対する債務残高の比率は2000年には91%だったものが、近年は130%近くに達していたようだ。借金のほうが年間実質収入より多い状況では、持続的な経済発展は困難と見るべきではないか。その過程で消費が盛り上がってきていたとすれば、どこかでその流れを止める経済的現象が出てきてもおかしくなかったということになる。
すなわち、米国を中心とした「ヒト、モノ、カネ」の流れが根本的に変化している現状では、「ポスト・アメリカ」の経済を将来的に担って(拡大させて)いける国がどこであるかを十分見極める必要がある。言い換えれば、今後実体経済ベースでリスクの取れる国がどこであるかの抽出、選択である。その際、どのような世界経済状況が出現しようが、その規模を拡大し続けることが可能との認識に立てば、現状の経済(金融)危機におびえるのではなく、新たなリスクを考慮したうえでの新戦略の展開が必要とされる。
その際に十分検討されるべき国がインドであろう。ご他聞に漏れずインドも現在の世界的金融危機の影響を受け経済成長率を下げてきてはいるが、相対的に見た場合、先進諸国や他の新興国に比べインドの受けている打撃は少ないといえる。言い換えれば、それだけ経済が成長していない(未熟な)ことになる。そういったインドをどう評価し、どれだけの投資(ビジネス)対象とするかは、投資家自身で判断することだが、その判断がtoo lateにならない(遅きに失しない)ことを願っている。
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