春の訪れ
またインドで春の到来を祝う「ホーリー」の季節がめぐってきた。
春の到来を祝って、極彩色の粉や色つき水を掛け合う。
インド全土で祝われる今年のホーリーは3月11日(水)で、通常午前中に行われる。
この日は無礼講で、だれかれとはなく極彩色の粉や色つき水を掛けられる。
このお祭りを10日間にわたって行う地域がある。
デリーからインド観光のメッカである「アグラ」に近づいたところにある都市、マトゥーラ(Mathura)で、市街地の一部をなす「ナンドガオン(Nandgaon)」やクリシュナ神の生誕地とされる「ブリンダバン(Vrindavan)」地域が有名だ。
起源は古く、文献ではさかのぼりきれないそうだが、基本的には「年の始めに穢れをはらい、健康や幸運を祈る」ことのようである。
日本にも似たような伝統がある。奈良東大寺二月堂の修二会で、「東大寺のお水取り」といった方が分かりやすいかもしれない。
こちらは3月1日から2週間掛けて行われ、クライマックスの「お水取り」は12日に予定されている。
こちらも、「十一面観世音菩薩(じゅういちめんかんぜおんぼさつ)」を本尊とし、「天下泰平」「五穀豊穣」「万民快楽」などを願って祈りを捧げ、人々に代わって連行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる11名の僧侶が懺悔の行を勤めるとのこと『(宗)東大寺二月堂修二会』)。
今日上野公園に一寸寄ってみたら、入り口のところの桜が満開だった。公園内の桜はまだやっとつぼみが分かるくらいなのに、何故入り口の桜だけが満開なのか不思議に思ったので聞いてみたら、一種の景気付けみたいなもので、早咲きのものを植えているとのこと。
世の中どこを見ても経済危機のまっただ中で気の滅入る毎日だが、季節が廻りまた春がそこまで来ている。朝の来ない夜は無いともいう。世界の金融界そのものが痛み、それが実体経済(製造業等)にまで波及し、地球規模での混乱様相を呈しているが、その間における人々の自信喪失も事態を悪化させている大きな要素ではないかと思う。春の到来とともに失われた自信が取り戻せないものか、インドの神様にお願いでもしてみよう。
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