たかが食パン一斤(\260)のことですが
通勤に上野駅を使うのだが、駅構内に週一ぐらいで立ち寄るパン屋さんがある。最近、食パンを買おうと立ち寄ったとき、切分け前の角棒型のやつは眼に入ったのだが、スライスし小分けしたのが棚には一つもない。若い店員さんに「何時頃小分けした食パンが棚に乗るのですか?」と聞いたら、「・・・?」であった。そしたら、そばにいた中年の感じの良い女性店員がその辺のやり取りに気付き、「すぐお切りしますよ、一斤でよろしいですか」ときた。こちらは反射的に「ハイ」と応えてしまった。本当は半斤でも良かったのだが。
その女性店員は、すぐさま角棒食パンを取り出し、私の好みの厚さを聞いた上で一斤分を切り、子袋に入れてくれた。その間、レジの若い店員さんに代金処理を指示していた。ただそれだけのことである。でもいろいろ教えてくれる。若い店員はお客が選んで持ってきたパンを種類に応じて子袋にいれ、購入金額をレジに打ち込み代金を受け取り、お客を送り出す。その手際は小気味良い。でも、一度その手順が狂ったり、想定外のことが起こると、戸惑ってしまう。状況を把握し(気付き)、どういう対応が必要かと思考をめぐらし(考え)、最適と思われる対応を実行し(行動し)、そしてそれを繰り返す(持続させる)。人材育成の難しいところだ。
同じことがインドビジネスでも言えないか。先進国での海外勤務があり、評価もそこそこの人物をインドに送り込む。でも彼(彼女)はインド人の生活様式や文化、社会慣習などには無頓着か、聞きかじりの「インドにはカーストがあって、云々」とやらかす。通り一遍のことは理解できても、既成概念で凝り固まった思考回路は教えられた通りでしか回らない。で、本当の意味でのインド理解は進まない。行き着くところが見えてくる。お互いに不幸な結末である。食パン一斤の購入行為が、インドビジネスをやる上での日本側(及びインド側)社員への適切な教育がどれだけ重要かを教えてくれた。その辺を踏まえた対応を、どれ程の日本企業が考えているか。ニャンだか、心配なことではある。
第二回目の顔見世は、「アウト君」です。外ネコで、家の中に入れてもらえないので、何時も外にいます。朝昼晩と飯を食いに来ます。人肌の牛乳も好きです。家に入れてもらえない理由は、大事な馬鹿息子(デリー君)をぼこぼこにいじめるからです。デリーは何度か病院送りにされました。したがって、デリーが外に行くときは、周囲に十分注意を払い、アウトのいないことを確認してからとなります。でも、アウトもかわいいヤツです。根性の座った、いい顔しているでしょう。
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