2021.07.21

監視国家、インドもか

インド主要各紙が19日、イスラエルのNSOグループの監視ソフト(hacking software or spyware)「ペガサスPegasus」がインドでも使われ、世界各国でハッキングの対象となったジャーナリスト180名の内38名がインド人であったとの記事を掲載した。
また、政治家では野党第一党国民会議派の前総裁ラフル・ガンディーや与党BJP(インド人民党)に徹底的に歯向かう西ベンガル州草の根会議派(West Bengal Trinamool Congress)の事務総長Abhishek Banerjeeなど、BJP(モディ政権)にとって政敵や邪魔になる人物が標的になっているのが伺える。そのほか、社会的に恵まれない人たちの救済活動(モディ政権の政策批判に繋がる)を行っているNGO幹部や元選挙管理委員会委員長、リベラルな弁護士、政治活動家なども標的になっているようだ。
ラフル・ガンディーは「今回の報道が正しければ、個人の監視という領域を超え、我が国の民主主義の根幹を脅かすもので、徹底した調査を行い、責任者をあぶりだし処罰すべきものだ」と述べている。
それに対しインド政府は、政府による特定人の監視が行われているという主張は「明確な根拠や真実に基づいたものではない」との見解を示している。
昨今のモディ首相の政治行動を見る限り、さもありなんだ。ヒンドゥー至上主義を掲げ、歯向かうものは切り捨て、唯我独尊的な政治姿勢には非常に危ういものを感じる。(了)

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