2009.02.08

1/1と1/6の違い

世は上げて経済危機の真っ只中だが、久しぶりのインド出張で考えたことは、果たして先進国の経済危機と新興国の経済危機の違いは何なのか、ということだった。輸出依存度とか、経済学上の検討課題は多々あるが、もっと単純に考えてみたらどうだろうかというので行き着いたのが、「1/1と1/6の違い」ということになった。

簡単に言うと、先進国の経済は1/1、すなわち全体が痛んでしまい、その回復には全てをやり直す必要があり、相当の時間とカネ、そしてエネルギーが必要になる。一方、インドのような新興国は、痛むに足りる経済に参加しているのは、多く見積もっても全人口の2割前後程度ではないか。それでも対象となっている人たちの痛み方は、先進国のそれよりは軽微ではないかということだ。その上で、まだ打たれた経済に参加していない次の1/6の人たちが頭をもたげ始めている。そして、それらの人たちは総じて楽観論者だ。

その人たちが先行している1/6の人たちに加わり、その痛みを分担するとなると、単純に考えて痛みは1/12に軽減されることになる。そして、その次の1/6が参加してきたらと考えていくと、現在先進国が抱えている未曾有の困難とインドが乗り越えなくてはならない困難な状況はかなり異質なものに見えた。

そんな簡単な話しで無いことは重々承知の上だが、どうせ苦しむなら将来展望がより開けるような国でのビジネスを考えたほうがましではないか。未体験ゾーンでは過去の経験は生かせないと思う必要がある。そうであれば、過去の経験が無いからといって(インドへの進出を)しり込みする必要も無い。この際、フロンティア精神で未体験ゾーンに踏み込んでみるのも一法ではないか。

デリーの中心街、コンノート・プレースで上がっていた凧です。

ショッピングモール内のマクドナルド。チキンバーガーとポテトチップそれにコカコーラがセットで109ルピー(約220円)でした。結構高いですが、売れてましたね。

コンノート・プレースの地下に広がるデリー最大の商業施設、パニカバザール。年末のアメ横並みの混雑振りでした。

コンノート・プレース
(注)ニューデリーは1911年、カルカッタ(現コルカタ)からデリーへの遷都宣言により、イギリス領インドの新首都として建設され、31年に完成した。その新都市計画の中心的位置に広大な円形のイギリス人向けシヴィック・センターを設けた。これがコンノート・プレースである。(「南アジアを知る辞典」平凡社より)

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