2007.08.25

古いものと新しいものを繋ぐもの

先日大阪に行く用事があり、途中で京都の町並みを撮りました。猛暑が続く中、雷雨があり、一寸雨に曇った感じです。もう一方は、先月、デリー近郊のグルガオンで開発の続く建設現場を撮ったものです。後方には高級マンション(アパート)が建っています。
 日印両国首脳はデリーで、22日、地球温暖化対策としての京都議定書に続く新たな取り組みに向けた協調姿勢を見せました。その一方で、インドのマンモハン・シン首相は、「貧困撲滅には経済発展がもっとも有効」と、日本に対する一層の対印経済協力を促しています。特に、カマル・ナート商工相などは安倍首相に付きっ切りでアテンド、投資を含めた日印ビジネス拡大への弾みにしようと躍起だったようです。日本からは、経団連の御手洗会長を始め、各業界トップら約240名の参加があったと報じられています。その中で、御手洗会長は、「潜在力を引き出せていない」と発言しています。(日経、8月23日)

それもそのはず、日印の人的交流はお粗末な限りです。留学生数一つをとってみても、インドから日本へ留学している人数は5百人足らずで、中国からはその100倍以上の8万人くらいが来ているはずです。環境問題での協力や、日印ビジネスの拡大はどんどんやって欲しいものですが、それを推進するのはやはり人です。そういった人材の育成も急務だと思います。でも今回余り語られていなかったようで(少なくとも、新聞記事では伺えず)一寸残念でした。

91年からのインド駐在時、インド企業のトップから、「京都のような古き良き文化を残しつつ近代化を成し遂げ、短期間で世界第二位の経済大国になった日本の秘訣は何か。自分たちもそうなりたい」と言われました。外から見ると、日本もまだ捨てたものではありません。そのノウハウを伝授するためにも、媒体となる人の存在が欠かせません。古いインドに新しいものを取り込み、増大する若者人口への職の安定供給と、貧困削減に努力するインド。その一方で、少子高齢化に備えなければならない日本。両極に対峙する日印両国。対峙している現状を十分認識した上で、どんな融和が図れるのか、それを推進する若者人材を育てる必要があると思いました。

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