2014.09.05

本当だったら凄い

日経とJETRO共催の「モディ・インド首相講演会-これからのインド」で演説するモディ首相(9月2日、東京)

日経とJETRO共催の「モディ・インド首相講演会-これからのインド」で演説するモディ首相(9月2日、東京)
※画像をクリックで拡大表示

 今週日本では「モディ旋風」が吹いた。2日に行われた日経とJETRO共催の「モディ・インド首相講演会-これからのインド」には定員1200人のところ4000人以上の申し込みがあったそうだ。招待客席も一杯だったので、一般の応募の人の多数が、会場には入れなかったことになる。

 モディ首相の通訳で随行してきた20数年来のインドの友人から聞いたことだが、新首相になってからは「仕事は2,3割増え、人は2,3割減らされた」らしい。したがって、一人当たりの仕事量は相当増えたことになる。それでは仕事が回らないのでは、と考えるのが普通だが「回せる、否、それで回せ」というのがモディ流のようだ。

 モディ首相は8月15日、自身初となる独立記念日の演説を行ったが、その中で面白い、ある意味では切実な事例を引いている。「私(モディ首相)が各大臣に出した“午前9時には執務室の自分のイスに着席しているように”との指示が新聞ネタになった。こんな基本的で当たり前なことが新聞ネタになるほどインドの規律は乱れている」と明言した。インドの閣僚でこれまで、まともに執務していた人などいなかったのかなと考えてしまう。

安倍首相とお茶を楽しむモディ首相。通訳としてモディ首相に随行してきた友人(右から3番目)も同席(9月1日、東京)

安倍首相とお茶を楽しむモディ首相。通訳としてモディ首相に随行してきた友人(右から3番目)も同席(9月1日、東京)
※画像をクリックで拡大表示

 モディ自身は深夜に就寝、朝6時ごろには仕事に取り掛かっているらしい。自ら行っていることをそのまま下の者にも求める。大臣が従えば、次官以下キャリア官僚もうかうかしてはいられない。モディ政権のモットーは“Perform or Perish”のようだ。即ち、「結果を出せ、さも無ければ去れ」ということになる。率先垂範している首相の本気度が分かっている人は、結果を出すために奔走するだろう。そうでない人たちは排除されていく運命にある。

 どこまでモディ流が押し通せるか。知人のインド経営者は「可能」と言った。なぜなら、モディの改革は自党(BJP=インド人民党)を利するためではなく、国と全国民を思ってのものだからと。もしその通りだったら凄いし、宣言している通りにモディ改革が進んだら、インドは確実に変わり、押しも推されもしない世界の大国になるだろう。

モディ首相のサイン

モディ首相のサイン
※画像をクリックで拡大表示

追記:通訳としてモディ首相に随行してきた友人が7月に出版した拙著にモディ首相のサインをもらってくれました。ミーハー的で、一寸恥ずかしいですが、お見せします。(署名はモディ首相の母語グジャラティです)


■「モディ・インド首相講演会-これからのインド」


Broadcast live streaming video on Ustream

一覧に戻る

contact お問い合わせはこちら