2014.08.15

モディ首相は今日、国民に向けた初の独立記念日メッセージを発した。

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独立記念日の記念式典で演説するモディ首相(8月15日、ニューデリー)

 今日の早朝7時半、モディ首相は快晴のレッドフォートで国旗を自ら掲揚すると静かに国民に向けた独立記念日(第68回)のメッセージを話し始めた。その後、徐々に熱が入ってくると身振り手振りで自分の思いを切々と国民に伝えた。その間1時間、初代首相ネルーに次ぐ長い独立記念日での演説となった。まったくのよどみもなく、自信に満ちた演説は、通り一遍の記念式典演説ではなく、真にインドを変えようという切実なる叫びに聞こえた。それだけで新生インドの誕生を期待させるだけのものがあった。

 目指すところは貧困のないインドであり、工業化したインドであり、一つのインドである。そのためにやるべきことは国をきれいにし(clean up India)、外資導入による製造業強化を図り(come, make in India)、中央と州政府が協力し国を発展させる(center and states need to work together for the development of the country)。そして近隣諸国との友好関係も築く(cooperate with neighboring and SARRC countries)。武装集団には、暴力は我々に何ももたらさない。10年間休戦し、その間に国の発展を遂げよう、と説いた(terrorism will bring us nothing. call on militants to have 10 years moratorium and develop the country)。国民の福利厚生を進め、地方の教育水準を高めるためにICT(情報通信技術)を駆使する。その成果を見届けるために、各国会議員は自ら特定村落を指定し、その村の発展に責任を持つ。国家の計を立案する計画委員会は廃止し、よりふさわしい組織を新設する。

 マハトマ・ガンディー(1869.10.02-1948.1.30)生誕150年に向けその意志を引き継ぎ、全員の力でインドを発展させよう。私は自分を首相などとは考えてはいない。国民のために働く僕だ。

 モディ首相はヒンディー語で話したので、私はテレビに流れたテロップを頼りに本文を書いた。したがって、取り違いもあるかもしれないが、モディ首相の心の内は伝えられたと思う。彼の気持ちを真に受けてインド国民が少しでも前に進めば、インドの未来は開けるのではないか。そこに日印ビジネスの拡大が含まれてくることも当然である。

ニューデリーにて。


■モディ首相の独立記念日メッセージ「Come, make in India」

※演説の全編をご覧になりたい方はこちら

◎2007年6月~2014年7月まで書き綴ってきました私の意見は一冊の本(「不思議の国インドがわかる本」)としてまとめましたが、アーカイブページ(島田卓の「ニャンてことだ!インド」)でもご覧いただけます。

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