デリー-サンフランシスコ便に搭乗したエアーインディアの女性機長ら(3月6日、ニューデリー)
デリー-サンフランシスコ便に搭乗したエアーインディアの女性機長ら(3月6日、ニューデリー)

 インド出張の際、よくAI(エアーインディア)を使っている。私がインドに駐在していたころは国際線がAIで国内線はIA(インディアン・エアライン)に分かれていたが、その後両社の経営は統合されAIに一本化された。

 私がインドに駐在していたのは1990年代だから、今と比較するのも公平性を欠くかもしれないが、その当時のAIやIAは遅延やキャンセルが代名詞のようなエアラインだった。

 それがどうだろうか、最近は顧客にはチェックイン時間の厳守を求め、出発定刻前に全員を搭乗させ、管制塔の許可があれば定刻前でも飛び立つ。したがって、オンンタイム率は各段に上がり、ましてやキャンセルなどに出会うことも稀になった。その上驚くことに、スターアライアンスのメンバーとして受け入れられている。スターアライアンスといえば、ANAやSQなど、世界駆使の航空会社が加盟するグループだ。その資格審査をパスしたことでもAIのサービスの質が向上していることを物語っている。

エアーインディアのロハニ社長
エアーインディアのロハニ社長

 では一体どうしてこのような改善がなされたのか。現地の人たちに聞くと異口同音、昨年8月にAIの会長兼MD(社長)に就任したロハニ氏(Ashwani Lohani)によるところが大きいという。氏はインド鉄道省に入り、直近はマディア・プラデッシュ州観光公社のトップを勤めていた。非常に卓越した企業統治能力を持つことからモディ首相に推薦する人たちがおり、首相自らの判断で登用が決まったとのこと。彼が就任してからまだ半年だが、AIの体質が変わりつつあるようだ。

 今回の人事がどこまで関連しているかは分からないが印各紙は3月7日、AIによる3月6日のデリー発サンフランシスコ行きの世界最長(14,500km)となるノンストップ便の運行が全て女性によって行われたと報じた。全てという意味は、コックピットに入る機長から副操縦士、キャビン・クルー、チェック・インスタッフ、医者や接客まで一切の関係者を含めて、ということ。これには3月8日の国際女性デーを祝う意味も含まれていたとのこと。

 トップに立つ人によりそれほども組織が変わるものかと思うが、確実に変化が起こりつつあり、環境の変化によってその組織に属する人そのものも変わり得る、ということが証明されそうだ。AIは5千億ルピー(約9千億円)の負債と3千億ルピーの累損を抱えている。果たしてモディ首相が一本釣りしたAIの新トップが、AIを窮状から脱出させてみて、その期待に応えることが出来るか。Perform or perish(成果の出せない者は退場=クビ)のスローガンの下、また一人の改革者の前進が始まった。

女性スタッフによって運航されたエアーインディア。フライト前の記念撮影(3月5日、ニューデリー)
女性スタッフによって運航されたエアーインディア。フライト前の記念撮影(3月5日、ニューデリー)

 

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